双極性障害の軽躁状態とADHDは似ている?

躁うつ的生活

私は双極性障害Ⅱ型です。私のごく近しい人にADHDの人がいます。このADHDの方と私の軽躁状態が似ているなと感じています。

双極性障害の軽躁状態とはどんな感じ

双極性障害の躁状態は以下の状態です。私の場合は、これらのどれも該当しますが「周りに迷惑をかける度合いが少ない」と言う感じです。

◆躁状態のサイン
  • 睡眠時間が2時間以上少なくても平気になる
  • 寝なくても元気で活動を続けられる
  • 人の意見に耳を貸さない
  • 話し続ける
  • 次々にアイデアが出てくるがそれらを組み立てて最後までやり遂げることができない
  • 根拠のない自信に満ちあふれる
  • 買い物やギャンブルに莫大な金額をつぎ込む
  • 初対面の人にやたらと声をかける
  • 性的に奔放になる       厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」双極性障害

このような状態になっていることを周りに指摘されないと気づかない。指摘されても”耳を貸さない”状態なので自覚しずらいです。ですが、そんな私でも「睡眠時間」と「次々とアイデアが出てきて結局できない」と言うのは自覚があります。

他の項目も気がつきはするのですが、”やっちまって”から気づきます。

気づくようになったのは双極性障害であると診断されて以降です。診断されて躁状態がどう言うものなのか教えてもらってから自分を見返してみると「どうも当てはまるようだ」思うようになりました。

それまでは明るくフレンドリーで優秀ないいやつが「自分」だと思っていましたから。”異常”だったなんで思ってもみませんでした。

ADHDの症状はどう言われている?

一方、ADHD(注意欠陥・多動症)の方の特徴として以下のようなことが挙げられます。

◆ADHDの傾向

  • 不注意
    ・集中ができず、細部に注意が向かなくてケアレスミスが多い
    ・モノをなくすことが多い
    ・スケジュール管理が苦手
    ・約束を忘れてしまう、締め切りに間に合わない など
  • 多動性、衝動性
    ・落ち着きがない、思いついたことをよく考えずに即座に行動に移してしまう
    ・一方的なおしゃべりをする
    ・感情が高ぶりやすい
    ・金銭管理が苦手
    ・自分の順番を待つのが苦手 など

「空気」を読んで「場」に応じてコントロールすることが苦手な状態のため、ミスや不注意・落ち着かなさなどが他の人と比べて目立ちやすくなります。

双極性障害の軽躁状態とADHDの特徴と似ている気がする

こうやって並べてみると、「落ち着かない」「集中が続かない」「約束を忘れる、言ったことを忘れる」「一方的なおしゃべり」「金銭管理」など似ていることが多くないですか?

ADHDは先天的なものですので、幼い時からその傾向が変わらずにあります。そもそも原因がわかっていないので治すことは難しい。それを受け止めて暮らしやすく工夫していくしかありません。

双極性障害も遺伝する傾向があるようなので先天的な部分もあるのかもしれません。また、完治することがないとのことですので、薬で症状を抑えて”波”を調整するしかありません。

症状も似ている部分があるし、原因がわかっていない、完治しない(しにくい)ものであることも似ています。

ADHDの彼の行動と私の行動を見ている”健常”の方がそのような感想を言っていました。

似ていない点

ですが、当然ですが違う部分はしっかりあります。

気分の上がり方。

イケイケのハイな感じに変化する(時間と共に移行する)、自分がすごく優秀でなんでもできそうな気分に変化するのはADHDの方にはないのではと思います。つまり「思考」や「行動」は似ているところはありますが「気分の波」の部分は明らかに違う。

また明かに違うのは、その症状の出ている期間です。

双極性障害はこのハイな状態がいつまでも続くことはありません。私の場合は、長くて3週間と言ったところでしょうか。(人に指摘されるまで自覚がないので自分ではどれぐらいの長さこの状態なのか分かりにくいです)

ADHDの方は先天的なものですので、幼い頃からその傾向が出てきて育っていくステージのたびに難しさ困り具合が大きくなってきます。残念ながらなくなると言うことはありません。

もう一つ、困りごとに対する対処方法です。

双極性障害でも私の場合は指摘されればしないように注意はできますし、行き過ぎている場合は行き過ぎ具合を理解することはできます。

ADHDの場合は、集中できない、ケアレスミスが多くなる、スケジュール忘れや忘れ物が多いなどに対して注意しようとしても修正することは難しいです。

「集中する必要のない仕事の仕方をする」「メモをとる。指示されたら復唱する」など、個々の困りごとに”しないようにする”のではなく”しちゃうけども対策する”と言う方向で工夫することになります。さぞ辛いでしょう。この辛さは計り知れないです。

類似点・相違点を見ることで双極性障害のことをもっと知る

ADHDの人を間近に接してみて時間軸を無視して今この瞬間の自分と重ね合わせてみると仲間のような気がします。

ですが、きっとADHDの方の本当の苦しみを理解はしきれないと思います。自分の苦しさなど時期が来たら解消される(別の苦しみがやってきますが)分はるかに楽なのだと感じます。

ADHDの方を見て自分の疾病のことを改めて理解する、と言うこともあると思います。

双極性障害やうつ病の人ががADHDを患うと言うことはありませんが、ADHDの方が二次障害としてうつ病や不安障害を患う比率は高いようです。

それは生きにくさから世間とのギャップを深く感じ負のスパイラルに陥ってしまうところからくると思われます。

ADHDの方など発達障害の方の”生きにくさ”は想像を絶すると思います。その場の「空気」を読みづらいと言うことは本当に辛いことだと思います。

特に日本の場合、この「空気」という”絶対権を持った妖怪であり一種の超能力”に支配されています。

「そういう空気だから・・・」「今の空気では言えない・・・」とか、それに抗うと大きなしっぺ返しにあう!

この世界のなかで「空気」を読みづらいと言うのは本当に辛い。どこにも記載もない申し渡しもないのに「〇〇せざるを得なかった」とか「〇〇であるのは当たり前」などが平気で罷り通り、しかも絶対的な不文律。

こんな”妖怪”を読み取る能力を発達障害を持たない一般の人が当たり前に持っていることの方が不思議です。発達障害の方が特殊なのではなく、”健常”と言われている人たちこそ特殊。

「空気」の話は別にすることにします。「異常」と「正常」の境界線、「健常」と「障害」の境界線というのを考えるときのキーワードになってきます。自分のためにもあらためてじっくり考えたいと思います。

この双極性障害とADHDの一部”表面的”に似ている部分。このことを考えることでより具体的に双極性障害をADHDを理解する上でプラスになるのではないかと思います。

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