梅の花に積もる雪〜”雪”の言葉について想う

よしなしごと

本日、3月22日。彼岸の中日を過ぎたところですが雪が降っています。暑さ寒さも彼岸までと言いますが、これが最後の雪になるのでしょうか。

この数日は温かく、庭のしだれ梅の花の蕾が十分に膨らんでもう開こうかとしていたところへの雪。春を待つ気持ちには無粋な雪ですが、梅の木越しに降る雪を眺めているとこれはこれで風情はあります。

今は二十四節気の春分。昼と夜の長さが同じになるタイミング。この雪がおわれば一気に春に近づくはずです。

”雪中の梅”というのは昔から愛でられた風景のようです。真っ白の下に紅梅の薄い赤・・・これはこれで絶妙な色合いです。

吹雪でも猛暑でも晴天でも土砂降りでも、四季に生きている日本人は善かれ悪しかれどのような気候にもそれそれに風情を感じてきたようです。考えようによっては「どんな日でも良い日!」日々是好日・・・

季節を表す表現も日本語には本当にたくさんあります。日本人の感性が際立ったところ。

ここでは、雪についての言葉たち。

雪の中に白梅の花・・・”雪中梅”というのかなと思ったのですが、これは銘酒の名前ですね・

やわらかで消えやすい春の雪、”淡雪”。今の時期の雪はこのような雪なのでしょう。

◆雪の降り方

 回雪(回雪);風に舞う雪

 飛雪(ひせつ);風に吹き飛ばされながら降る雪

 斑雪(まだらゆき);はらはらとまだらに降る雪

 細雪(ささめゆき)細かくまばらに降る雪

 べた雪、牡丹雪、花弁雪(はなびらゆき)、綿雪、小雪、俄雪(にわかゆき)” などなど、雪の降り方も色々です。

◆降る雪の激しさ、優しさ

 淡雪、薄雪、吹雪、豪雪など

◆降る時期

 初雪;その年はじめて降る雪

 暮雪(くれゆき)夕暮れに降る雪

 名残り雪;春が来ても消え残っている雪、春が来てから降る雪

 御降り(おさがり);正月三が日に降る雪

 三白;正月三が日に降る雪をこうとも言うようです。

 風花;晴天の時にちらちらと降る。

 蠟雪(蠟雪);陰暦 十二月に降る雪蠟雪

 雪の果て、忘れ雪;その年の最後に降る雪

◆積もっている様子

 ”万年雪””根雪”、山の頂が雪がかぶる”冠雪”、山や木の上に降り積もった”綿帽子”などは使います。

 雪消(ゆきげ);冬に積もった雪が春になって溶けるさま

 雪煙;積もった雪が煙のように舞い上がる

 宿雪;しつこく溶けずに残っている雪

 深雪(みゆき、しんせつ);深く積もった雪

 堅雪;春に溶けかかった雪が夜に冷えて固まったさま

 衾雪(ふすまゆき);ふすまのように一面に白く降り積もった雪

 帷子雪(かたびらゆき);薄く降り積もった雪はこう言うそうです。

 雪肌;積もった雪の美しい表面

◆雪を風流にいう言い換える言葉

 銀雪(ぎんゆき)白雪(しらゆき)などはよく出てきます。

 雪花(せっか)六花(ろっか)などは雪の粒の形からでしょうか。

 素雪(そせつ)玉屑(ぎょくせつ)などは詩文で使うのでしょう。

 瑞花;豊年の兆しになるめでたい花の意味で

 白魔;恐れと共にこのようにも呼ばれることもあります。

季節の移り変わりをなんとなく感じています。その中で今日のような”梅がほころぶ春に雪”というちょっとした違和感を感じる時にこそ逆に季節の移り変わりを実感する。

双極性障害でうつ期にも躁期にも心と頭がいっぱいになっている私にとって、こういうものを感じられるようになったんだな・・・と少し自信がもてる日でした。

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