ヨガと出会う
ヨガを始めてから、10年ほど経ちます。
始めたのは、健康のためとかダイエットのためとかいうのではなく、”精神統一”とか”瞑想”とかからの方が近いです。
昔から、座禅、瞑想、悟り、禅などに興味があり、それなりに触れていたりしましたが、さすがに全てを投げ出して永平寺に登るような覚悟もできるはずなく。大悟した人の心のありようを想像して、”知””情””理”にまみれた世の中でもきっと生きやすくなろだろうなとの漠然とした憧れのようなものを感じていました。
当時、うつの底から脱した頃で、なんとなく自分の精神状態や健康状態がわかるようになりかけてたところで、自分の心の治療のようなつもりで、始めてみようかと思いたちました。運動不足の体にはこれぐらいがちょうどいいかもと。
スタジオに通い始めました。定期的に通うのも少し辛かったですが、そのうち毎週通えるようになりました。
先生のインストラクションのままに、呼吸を意識しながら、立ったり座ったりしている間に、「これかも!」と腑に落ちてしまいました。最後のシャバアーサナが終わると、なんだか寛解に向かって一歩進んだかなと思ったほど。
何がいいのか
うつ病にとって、双極性障害のうつ期にとって、ヨガっていいのかもと感じたのは・・
呼吸
そう難しいポーズやアクロバチックなポーズはできないし、そもそもしない。インストラクターの先生も「今の自分にできる範囲でやってみてください。無理して痛めては元も子もない。」と言ってくださってました。
教室では、たくさんのポーズを流れるように時間内でこなしていくというスタイルではなく、それぞれのアーサナ(ポーズ)の細かい部分を解説して正しいアーサナとその意味それと呼吸とのの関係を何度も繰り返し解説する、とのスタイルでした。
そのアーサナで伸ばした指の先に呼吸を届ける感じ。捻ることで呼吸を絞りとる感じ。落ち着いたアーサナではチャクラに息を納める感じ。それを味わっているうちに心と体が一致していくような、失った自分を探すというような、浄化されていくような感覚。
集中(心と体の一致)
目を瞑ってポーズの時は、「頭頂を空から引っ張られるような感じで背筋を伸ばし、合わせた手のひらの中に自分の散っている”気”をまとめて包むように、親指の付け根を肋骨の端に触れるように、そして眼球を後頭部に沈め込ませていくように」とのインストラクションに合わせて呼吸を整えて、手のひらの中に意識を集中していく。
当時はこれが一向にできない。自分を見失っっている時だからなのか、眼球は安定しないし、手は震える、きっと体も安定せず揺れているのだろう。
そのできないこともそのままに感じながら、なぜかしら、なんとなく、意識がすっと収まるようになった時が”寛解”の時、自分を見つけられた時なんだろうなとなんとなく感じていました。それまで、ヨガを続けて待とうと。焦って仕事に復帰することばかり考えていた気持ちが少し落ち着いた。
結局、心と体がチグハグになってしまっているからなのではないかと自分では勝手に思ってました。
体幹を感じる
これはうつには関係ないかもしれませんが、自分の体幹を知ることになりました。”自分の体を知る”ってことなのかもしれません。
正しく立つ(ターダーサナ)だけでも難しい。微妙な体重配分でアーサナを進めていくことを学びました。
特にバランスポーズはできた時は集中できている時、こころの安定とつながっているように感じます。
よろけることが少なくなったような・・・日常生活でもきっといい効果は出ていると思います。
柔軟性
関節の可動域の広さや柔軟性なども、この年齢の割にはかなりあると思います。元々そうだったこともありますが、より柔らかくなったような気がするし、少なくとも加齢により硬くなることは抑えられていると思います。
ストレッチマッサージ屋さんとかにいくことがあるのですが、この柔軟性にたいてい驚かれます。
柔軟性は怪我をしにくいということにつながると思います。さらに歳をとったときにいいこともあるかも。
うつ病には少し関係ないかもしれませんが、自分の体を知るという意味でも重要かと。
健康体への意識
これで、姿勢も良くなったと思うし、その日の体調に変化や衰えにも敏感になりました。それを受けて、ここの筋肉を鍛えようかなとか、筋肉をほぐそうかなとか、今日は無理せず寝ておこうとか、体重調整しなければとか思うようになりました。自分の体の具合を自分で把握できる嬉しさ。
まとめ
うつの時は、こころと体が乖離してしまっているような感じがします。
ヨガをやり始めて、自分の気分の波と照らし合わせてみるとなおさらそのように感じます。
まずはそれを知ること。知った上で自分の体を客観的に観察できること。その点がうつ病の方双極性障害の方にはヨガが効果的と思ったところです。
もちろんうつ病や双極性障害にも関係なく諸々な点で良い点のあるヨガです。年齢に関わらず続けていけるものでもあります。
毎日少しだけでも時間を作り、マットを広げて取り組んでいます。
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