双極性障害 あるある 診断に至るいきさつ〜私の場合

躁うつ的生活

当初「躁うつ病」のイメージはこうでした

双極性障害と言われた時、ピンときませんでした。

「躁うつ病」なら聞いたことはあります。躁とうつを繰り返す病気。深く落ち込んだうつの状態が終わると異常なほどハイテンションになる。まるで別人格のように。ドラマとかに出てくる多重人格にちかいように思っていました。

北杜夫からくるイメージ

北杜夫という作家がいましたが。その人がこの病気だったと記憶しています。創作活動しているときやテレビなどに出てくるときはたいてい躁状態の時だったようです。マンボウシリーズなど面白いエッセイ、小説なども楽しく読めるものがたくさんありました。北杜夫はうつの時期(躁の時期だったかな?)に入るタイミングが自分でわかるようで、そうなると自分から入院するようなことを言っていました。

「徹子の部屋」で北杜夫がユーモラスに自分の病気の話をしていました。この人のおかげで、私は”躁うつ病”については悪いイメージを持っていません。

あるタレントのエピソード

ある百貨店の外商のイベントで、自社の商品を持ち込んでデモする機会がありました。ニッチ向けのかなりの高額商品でしかも試作段階でしたので販売はできない状態でした。

テレビでも良く見かける女性タレントさんが付き人と現れて、突然そこにある我々スタッフの椅子に座り込み「あら、素敵な商品ね。私こういうの昔から欲しかったのよ。買うわ。いつ届けてくださるの。〇〇の部屋なら置けるわ。あのクローゼットの隣の。本当欲しかったの」と喋り始めて止まらない。「あっちの部屋にもおこうかしら。だったら3台はいるわね。3台買うわ!」とか。一方的にひとしきりしゃべると、付き人に「〇〇さん、あとはよろしくね。」と言い残して、ついっと別の売り場に行ってしまった。

行ってしまった後、付き人の方が「すみません。ああ言ってましたけど本当に買うというわけではありませんので・・・」と申し訳なさそうに言ってました。そうやって彼女の後始末をして回っているんでしょう。

その後、そのタレントさんが躁うつ病であることを知りました。その時を思い出して、「あのような状態が躁うつ病なんだ」と腑に落ちました。

当初私にとっての「躁うつ病」とは、この2人のイメージです。

この2人と今の自分が似ている部分があるような、ないような。

繰り返すうつ期

私が最初にうつで動けなくなって休職したのが15年ほど前。

会社の産業医から紹介された精神科にて休職することを強く勧められました。私は仕事を続けることに強くこだわりましたが、体が思うように動か亡くなってしまい、泣く泣く休職を決断しました。

精神科に2〜3週間に一度のペースで通院。気分の状態を確認しながらいろんな薬を試しました。少し持ち直したり戻ったりを繰り返しながら、復職するまで1年4ヶ月。働き盛りの年齢での1年4ヶ月は大きな大きな回り道です。

復帰はしましたが、鬱々とした気分は完全には晴れず。だましだまし仕事を続けます。ですが、2年ほどでまたダウン。ガス欠のような感じで。

自分では”普通”と思っていた軽躁状態

うつになると病院に行って抗うつ剤をもらってきていました。で治ると通院をサボって服薬もやめてしまうということが続きます。

何度目かのうつを経て主治医から双極性障害ではないかとの話が出ました。

うつ状態は自覚があります。ですが、躁状態の自覚がありません。双極性障害と言われてもどうも当てはまらない(と思っている・・)

もともと集団の中のムードメーカー的で、宴会でも盛り上げ役。携わっている仕事も色々な発想・アイデアをどんどん出さねばならない仕事に長年従事しています。身だしなみや持ち物にも気を遣って、体もそこそこ鍛えている。徹夜も辞さずエネルギッシュに行動できる「できる男!」だと思っていました。それが自分の普通の状態だと。

ところがそれが”異常”な状態、軽躁状態ではというのです。混乱しました。

そして診断

過去を振り返り診断

主治医とよく話をしました。若い頃からの自分を振り返り、気分や思考、行動の波について整理していきます。比較的波が大きいことにも気付かされます。

確かに大きく仕事のパフォーマンスが落ちた時期、会社に行きたくなくなる時期があったり、騒動的に大きな買い物をしたり、急な転職を決断したりしたことがあります。

そして双極性障害Ⅱ型であると診断されます。

診断を受けてみて

自分の状態と病名がつながってホッとした面もありますが、これから死ぬまで付き合っていくことになるかと思うと将来に向かって暗い影が差したように感じました。

診断は出ましたが、長期的・永続的に薬を飲まねばならず、それで症状は抑えられても”治癒”はしないそうです。そして必ず繰り返すものだと。またうつに陥るのだと考えるとどのように仕事を続けていけばいいのか不安です。

また遺伝性も高いとのこと。祖父母の世代に確かに疑わしい人がいました。子供たちに影響が出ていないか心配です。

ただし、効果のある薬に出会えたことはラッキーです。それによって寛解の状態を続けていけばなんとかなりそうな気がしてます。

これから

ざっと、こんな経緯ですが、この診断(双極性障害Ⅱ型)が出るまで4年はかかっています。躁エピソードが激しくないⅡ型の人は当初うつ病と診断されていて、のちに双極性障害と診断されるケースが多いと聞きます。かなりの時間回り道をしました。

今は、安定はしていますがいつ落ちるかもしれず不安は拭えません。

子供たちへの影響は気になります、その時は彼らなりに対処してもらうしかない。私の方に助けてあげられることは残念ながら少ないです。

定期的な通院が望ましいのですが、躁期間だと面倒臭くなったり不要と思ってしまうことも多いです。逆にうつ期に入ると通院するのが激しく億劫です。

今はうつに落ちることが怖いので頑張って通院しています。

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