基本的に昆虫は苦手ですが、蜘蛛は本当にダメです。
カサコソと音を立てるでもなく、ブーンとか羽音をさせるわけでもなく、チラリと視界を横切るでもなく、思いもやらぬ空間に突然現れる。人間の想像を遥かに超越した、”蜘蛛の糸”なる魔法を使って!しかもあの姿・・・・
2〜3cmぐらいの大きさの蜘蛛が部屋に現れたら、騒ぎながらもなんとか退治できますが、もっと大きな方をお見受けした際には、凍ります!
ナガコガネグモというお名前らしいです。うちの周りのそこら辺にいます。少しの間通らなかった裏庭など隙があれば巣を貼っています。あっという間です。素晴らしい作業スピードです。巣の端っこはどこに繋がっているか予想がつかないので、気がついたら、蜘蛛の巣の中に頭を突こんでいたりします。・・凍るのを通り越して、砕けます。
うちの周りを歩くときには、竹ぼうきを闇雲に振り回しながら蜘蛛の巣がない空間を作ってから通ります。で、その箒に巣の残骸と一緒に巣の主人がぶら下がっていたりします。小さな蛾のようなものを咥えていたりもします。・・叫び声を必死に我慢します。
ナガコガネグモというのは、ポピュラーな種類の蜘蛛らしいです。怖くて近づけないのでよく観察できないのですが、全体的な模様(の印象)はこれっぽいです。少し細長い輪郭のところも”ナガ”コガネグモだと思います。
苦手なのですが、殺虫剤をばら撒いで駆除するっというのはちょっと違うような気がしています。
うちに近づく害虫を駆除してくれているようです。自分が生きていくためで、なにも私のために虫をとっているわけではないのでしょうが、ハエや蛾をとってくれているようです。考えてみるとハエをあまり見かけないのは、この方のおかげかもしれません。
この方を含めて、殺虫剤などで駆除しても、そのご遺体をみるのも辛く忍びない。触れられないので大切にご処置申し上げる自信が全くないので、うまく共存していきたいです。この方も恙無くお暮らしになられているようでよかったです。たまに、ミイラのように蜘蛛の糸で包まれた元昆虫と思しき塊を見かけるのですが、私は決して触れません、蓄えもできてよかったです。
そして、共存していてなによりも嬉しいのが、その大きな蜘蛛の巣の美しさです。
1〜2mにもなる大きな何重にも貼られた円形。所々引っ張られて絶妙の緊張感でかすかに揺れている。一瞬ピントを合わせるのが難しいくらいの細かさで浮かび、かすかな風で揺れる。その信じられないくらいの造形美!せっかく目立たぬような巣であるのに、なぜか真ん中へんに目立つウネウネと白い帯(”かくれおび”というらしい)が配置されていて、それが3Dクリスタル彫刻みたいに浮かんでいる。
これが、雨に濡れた後の日差しでキラキラと揺れる様をみると・・・神々しくて、あの不気味な姿に手を合わせる気持ちになります・・
こんな、些細なことに心奪われるようになってきた自分の寛解状態に感謝しつつ。さらにナガコガネグモさまに感謝です。
あの方も「お前もな!・・」と言ってくれているような気がします。
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