フェデラーの偉大さは、普通であるところ?

テニス

”極めて普通”な完成度の高さ

ロジャー・フェデラーという選手は、完成されたテニスプレーヤーです。私のような凡人テニス愛好家から見てもそう思います。

私がテニスに興味を持ち始めたはるか昔、ケン・ローズウォールという選手がいました。当時のテニスの教科書のようなフォームの選手で、まずは、この選手の真似をするのが上達の道だと信じてました。

  Ken Rosewall 白黒です・・1934年生まれだそうです。

ところがその後、コナーズ、ボルグ、マッケンローなど、そんな”基本”など完全に壊してしまう個性溢れる独特なフォームのプレーヤーが取って代わりました。

今でも、コナーズとローズウォールの1974年全米オープン決勝戦のシーンは頭に残っています。スチールのラケットで希薄と力でねじふれるコーナズ。同じ人間かと思うほど動きが早く、流麗なプレーのローズウォールを圧倒。コナーズが、ローズウォールのスマッシュをスマッシュで返した時には、私の頭の中は崩壊しました。(ローズウォールは39歳だったらしいですが・・その歳で決勝まで勝ち進むとは!それもすごい!)

コナーズ、ボルグ、マッケンロー、アガシ、レンドル、サンプラス、と個性的な選手が次々と現れた後に、フェデラー・・

フェデラーのテニスは、個性的というより、そのフォームは、ローズウォールの時代を思い出すような、流麗でファンタスティックでテクニカルでそれでいて”極めて普通”のフォームでした。

なんだか上の写真のローズウィールのフォームに似ていませんか?

インパクトの瞬間に肘が伸びているところ、左手を残しながら体を壁にして打つバックハンド、ベースラインでのストローク戦も高いレベル。

サーブからネットへ詰めるプレー、パッシングショット、ドロップショット、フェイクまでなんでも最高レベルでこなすのオールランドプレーヤー。

フェデラーのフォームは、とてもオーソドックスで、いわゆる基本に忠実。全てのプレーが美しく完成度が高くて隙がなく、全てのプレーがトップレベル。信じられないぐらい高いレベルでバランスの取れている類まれなプレーヤーとの感想です。

こんな完成度の高い選手をリアルタイムで見れることは喜びです。

テニスフォームは時代によって周回する?

練習風景などyou tubeにたくさん上がっていますが、ただの当たり前のラリーを続けている動画なのですが、なぜか目が離せません。どんなボールがきても同じようなフォームで淡々と打ち返し、しかも少しずつ回転の掛け方を変えている。落ちているボールの疲労姿まで惚れ惚れします。いつまでも見ていられます。

ローズウォールのテニスの常識がぶち壊れて、いろいろと変化し、紆余曲折があって、また、基本(当時のテニスの基本)に戻ってきた。ローズウォールのような昔のテニスが弱かったのではなく、極め方・力が時代に合わなくなった。

”普通”さと動体視力・反射神経の極み

フェデラーのテニスを見ていて驚くのは、同じフォームで”極めて普通”に打っているのに、飛んでくボールが、さまざまなスピードで、あらゆるコースにコントロールされ、いろんな回転を加えている点。スローで見ていてもなんでそうなるのかよくわかりません。

それもよくボールが見えているからだと思うのですが、ラケットにボールが当たる瞬間の写真を見ると、視線がラケットに当たる瞬間のボールに残っています。止まっているボールを打つゴルフではないんですよ。時速100kとか150kとかで飛んでくるボールをここまで見れます?どんな動体視力なんだ?信じられません。この瞬間までボールを見れることが、さまざまなボールコントロールを可能にしているのかなと思います。

反射神経も恐ろしく並はずれています。相手の動きに対しての反応、やってくるボールへの反応、状況に応じての戦略の変更・・・一瞬のうちに”正しい”反応をします。その速さがいつも冷静で慌てた風を見せない彼のスタイルを産んでいます。

サーブも、ほとんど同じフォーム、タイミングで、ワイド、センターに打ち分け、ツイスト、スピン、スライスなども打ち分ける・・訳がわかりません。

そして歴史に残る

フェデラーは1981年8月生まれ、なんと40歳!ローズウォールがジミー・コナーズにコテンパンにやられた39歳を超えています。もう次の世代が出てきていますし、フェデラーも引退する時が来るでしょう。でも、この人のテニスは、一つの完成形として残っていくと思います。

今の時代幸いにも動画がたくさん残っています。テニス史にとって貴重な財産です。

ロッド・レーバーもローズウォールも動画が少なくて悲しいです。

それに比べて(比べても仕方ないですが)・・・

このようなプレーができるならと憧れます。年季ばかり入って一向に上手くならないテニスですが、この歳でもまだ少しでも上手くなりたいと思っています。お手本は、時代が一回りして、やはりこのようなテニスだと信じてます。

実は、私のラケットは、フェデラーが使っている、ウィルソンのPro Staff。完全にミーハーです。彼の使っているのは340gで、これはさすがに振れないので、315gの下のモデルですけど。上手くならないのは、実力以上のラケットを持っていて使いこなせないからだという人もいますが、そこはミーハーなので、これで頑張ります。

よく眠れない時は、フェデラーの練習動画を見て寝ようかなと思うのですが、ぼーっとしてくるのですが全く眠れる気がしません・・・

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