彼岸花が咲き始めています。あと1週間後、お彼岸の中日の頃には咲き揃うのではないでしょうか?
このへんの田舎は、例年ドンピシャでお彼岸に合わせて彼岸花が咲きます。毎年、この花を見ると「お彼岸か・・お墓参りどうしようか?」と思い出します。
お彼岸とは、春は春分の日、秋は秋分の日を中日として前後3日間、計7日間のことです。太陽が上がっている時間と沈んでいる時間がちょうど同じになる春分と秋分の日が、”彼岸”と”此岸”が近づくとき。太陽が真西に沈む日を阿弥陀様がいらっしゃる西の方向をイメージして、あちらとこちらの接点であるこの時期お墓に行ってご先祖様をお参りするんですね。
私のご先祖のお墓は離れたところにあるので、コロナ禍の今年はお盆に引き続きお彼岸も無理そうです。若い頃は大した行事とは思っていませんでしたが、歳を重ねるごとに「何かしらしないとな」と思うようになりました。
ところで、彼岸花は、なぜ、お墓の周りに多いのでしょうか。
彼岸花の根(球根)には毒があり、昔は土葬でしたので、それをモグラやネズミなどの獣に荒らされないように彼岸花の毒を持って制したとのこと。田圃の畦道などに多いのも田んぼを守るため。先人の知恵とは深く有難いものです。
この彼岸花、毒を持っているので「地獄花」「死人花」など物騒な別名がたくさんあります。間違って子供が誤って口にしないようにこのように呼んだのでしょう。お墓でよく見かけるせいもあり、どうも不吉なイメージがあります。
彼岸花は咲いているとき葉っぱがありません。その骨格だけのような姿も他の植物と違って不気味な感じがします。花は1週間ぐらいで終わり、そのあと葉が生えてきます。冬から春にかけて栄養を蓄えて、葉は初夏には枯れまた次の秋の開花に備えます。
この花は、どうもイメージが”不気味””不吉”な方に行ってしまうのですが、そのような先入観を捨てて一輪をまじかに見ると本当に素敵な姿です。
線香花火のような繊細に鮮やかな紅の花弁が広がり、エキゾチックでエロチックな美しさです。地面から凛と立ちあがり、空を掴むようなその姿も神々しい。
「曼珠沙華」との別名もあります。サンスクリット語の「マンジューシャカ」(天界にさく花)が語源。良いことがある予兆として、天からひらひらと降ってくるとか。
見てみたい。見れたら”彼岸”に行ってもいい・・
咲き誇っている期間は短いです。不吉な先入観を捨てて、この花を楽しみたいです。
秋空の下、稲刈りの終わった田圃の畦道を曼珠沙華を見ながらぶらぶらと、吉兆を願って天を仰ぎ見たりして。
コメント