決まった時間に眠って決まった時間に目覚めることが極めて重要
うつ病も双極性障害もほとんどの方が睡眠のリズムに問題があります。
全く眠れない、眠らなくても平気、寝つけない、途中で目が覚めて眠れなくなる、逆に朝は起き上がれずいつまでも眠ってしまったり、昼間変な時間にたまらなく眠たくなったり・・
私の場合は、いつまでも寝付けない状態でした。
仕事である課題がある。クソ真面目なので、それは必ず成功させねばならない。それも私自身の責任で、と考えている。その課題は、時間と共に悪くなる方向にばかり考える。その課題に色々な方法でのアプローチが考えられるのだが、それぞれを頭の中でシュミレーションするが、すべて最悪の結論にたどり着く。どうしていい分からなくなる。自分の能力がないように感じる。それでも明日はやってくる。
というようなことをずーっと考えていて、眠いのだが眠れない。肩こりはひどいし、頭痛はするし、目眩がする時はあるし、血圧は高いままだし、いつも手汗は書いているし、深呼吸しようとすると息が震えるし、体はおかしいようだが、今任されている仕事からしたら、それぐらいの体の変調は大したことない。体は疲れていているのに眠れない。
結局、休職に追い込まれて仕事から引き離されたのでいくつかの体の不調は治まってきたのですが、睡眠のリズムが無茶苦茶なのは簡単には治りません。
うつ病も双極性障害の症状改善には、もまずは「決まった時間に眠って決まった時間に起きる」これに尽きます。
すぐに眠れる音楽をかけるとか、ゆっくりお風呂に浸かるとか、高級な機能枕に変えるとか、肌触りの良いお気に入りのパジャマに着替えるとか、愛する人に「おやすみ」って言ってもらうとか、なんだかんだと安全で可愛らしい方法は世の中にたくさんありますが、やはり即効性があって確実なのは薬です。薬を使ってください!
睡眠薬は必要です。依存など気になりますが、そんなこと言ってられません。無理矢理でも眠るんです!体をだましてでも睡眠のリズムを整えねばなりません。
睡眠薬の大まかな種類
色々な睡眠薬がありますが、効き方、効果の持続時間で分けると、大きく4つに分かれます。(詳しくは正確には薬剤師さんが監修しているサイトなどで確認してください)
超短期型
飲んですぐに効果が出てくるタイプの睡眠導入剤です。寝付きの悪い方は、これですね。効果の持続時間が短い(2〜4時間程度)ので、途中で目が覚めて寝れなくなる人には向かないです。
マイスリー、ハルシオン、アモバン、ルネスタなど
私はこれを飲んでいるのですが、量が多い時は朝まで少し残っているような気がします。朝の遅くまで眠気が取れないこともあります。
短期型
夜中に起きてしまう中途覚醒タイプの方は、これを使うことになります。
レンドルミン、デバスなど
中時間型
短期型よりさらに効果の持続時間の長いタイプです。早すぎる時間に目が覚めてしまう人向け。
ベンザリン、サイレース、ユーロジンなど
長時間型
中時間よりさらに効果持続時間が長いタイプです。ドラール、ベノジールなど。私は、超短期型〜中時間型まで使用したことはあるのですが、この長いタイプはありません。次の日に残ってしまうでしょうね。我々のような障害の用途ではないと思います。
私の場合の睡眠薬の遍歴
色々と試行錯誤がありました。
寝付けないタイプでしたので、短期型、超短期型ををいろいろ試しました。
うつがひどい時は、短期型のレンドルミンを使っていましたが、少し翌日に残るような感じが出てきました。重いうつ期から抜けつつある時、睡眠パターンも変わってきたのか、効きがキツくなったようです。
それからは超短期型のマイスリー(ゾルピデム酒石酸塩錠)を使っていました。これの増減で寝付きの調整をしていました。抗うつ薬はSSRIのレクサプロを飲んでいました。レクサプロにも眠たくなる効能があるようです。
マイスリーやゾルピデム錠など長く飲んでいましたが、薬を飲んだ後、眠ってしまうまでのことを覚えていない”一過性前向性健忘”の状態が頻繁に起こるようになり、家族に不気味がられるようになります。
この頃うつ病ではなく双極性障害であると診断されたことで抗うつ薬のレクサプロをやめ、気分安定薬に処方内容を整理しなおします。同時に一過性前向性健忘のことも主治医に打ち明けて睡眠導入剤も見直すことになりました。
現在使っているのはルネスタです。マイスリーと同じ超短期方の睡眠導入剤ですが、マイスリーより穏やかに聴き始め穏やかに抜けていく薬です。1mg錠、2mg錠、3mg錠と種類があるため、飲む量を細かく調整できます。
一時は眠れなくなることが怖くてほぼ毎日飲んでいましたが、その時のうつ期と軽躁状態のどこにいるのかなど体の疲労具合などによって効き方が変わってきます。主治医と相談して1mg錠で処方してもらって自分で微調整して使っています。
注意事項
依存性
超短期型の睡眠導入剤は、即効性がありますので、その効果は信用できます。すぐに体感できます。
気になるのは依存です。だんだん効きにくくなるような気がする時があります。薬の効き方が弱くなったのか、体の睡眠に対する抵抗感がさらに強くなっているからか、飲んだ時間が悪いのか、飲酒したなど可能性は色々ありますが、どんどん薬を強くせねば、量を増やさねばと思うときは、自分でも恐怖を感じます。
これは自分の状態をよく観察して主治医とよく相談し対策を講じることになります。日記のようなものをつけているとこういう時に助かります。日記はおすすめします。
前向性健忘
一過性前向性健忘も困ったものです。薬を飲んですぐに布団に入って仕舞えばいいのですが、あれこれと動いたり飲酒をしていてりなどの場合、その間の記憶が飛ぶことがあります。
本人は至ってまともな行動をとっていて変なこと危ないことはしていないのですが、何をしたのか全く覚えていません。次の日に家族と話が合わなかったり、覚えのない飲みかけのペットボトルやお菓子の袋などが転がっていたりします。周りは不気味がりますし本人もビビります。いつ危険なことや迷惑なことをしてしまうか不安になります。
この症状が出てきたら早めに主治医と相談です。
飲酒
飲酒と一緒に飲んではダメです。前向性健忘がひどく出ます。家族など周りに人がある時はいいですが、記憶が飛んでいる時に外出したり、運転でもしようものなら大事件になります。命の危険に晒されるかもしれません。
私は、晩酌せずに寝たことのない人でしたが、断酒しました。ビールの代わりにノンアルコールビールを飲んで自分を騙していましたが、最近ではそれもなくても大丈夫になってきました。家計にも助かります。
断酒はすべきです。
飲み忘れの薬の処分
飲まなくても済む日も結構ありますので、長年処方されているのでどうしても溜まってきます。かなりの量になっています。使わない薬は捨てればいいのに、なんとなく溜め込んでしまっています。
捨てるべきです。心の奥の方で「いざ死にたい時に使おうか・・」という気持ちがあります。睡眠導入剤の多量摂取で市に至ることはないとのことですが、自傷したくなった時に使う可能性があります。
まとめ
躁状態の時、眠れない、睡らなくても大丈夫な状態が多いです。ですが本人はそれをよしと思っているのでそのままにしてしまうものです。
うつ期はマイナスなことが頭の中で悶々としていて眠れません。眠る時間を惜しんでやらねばならないことがないのか、このまま眠ってしまって朝が来てしまって後悔しないか、など眠れないだけでなく眠るのが怖い気持ちもあります。
躁の時もうつの時も眠ることに抗う気持ちがあります。それでも眠らないとダメです。薬が必要です。
再発を防ぐには「生活のリズムを整えなければならない。そのために眠るのだ!」と自分に暗示をかける。薬を飲むという暗示をかけてなんとか再発を防ぎたいものです。
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