10月上旬は、そばの花が咲き白いじゅうたんのようになります。一面金色だった田んぼの稲刈りが進んでいる横でそばの畑が綺麗です。
蕎麦というと信州とかのイメージが強いですが、日本のそばの生産量の約半分ほどが北海道です。ここ栃木県は北海道、長野、山形に続き、全国4位です。おいしい蕎麦のお店もすくそこらへんにあります。
栃木県で暮らすようになって、本当に思います。ここの蕎麦は美味しいです。蕎麦畑の横に手書きの看板を掲げてこじんまりとやってらっしゃるお蕎麦屋さんなどもあって、どこも美味しいです。あちこち食べ歩いてお気に入りのお蕎麦屋さんを見つけるのも楽しいです。
東京に住んでいる時、いわゆる”名店””老舗”などというところにも行ったことがありますが、それはそれで江戸時代から続く蕎麦文化なのでしょうが、私は美味しいと思えませんでした。今や東京で蕎麦を食べることは一切なくなりました。
蕎麦粉をなんらかの方法で食するのは大昔からあったらしいですが、細い麺状にしたものを茹でて食べる「蕎麦切り」という食べ方は江戸時代からだそうです。大発明です。考えた人は天才です。
時代劇で何かと蕎麦を食べるシーンが出てきますね。そばの屋台で岡っ引きがすすっていたり、蕎麦屋の2階で一献とか、落語の「時そば」とか。江戸の食文化です。日本料理といえば、「寿司、天ぷら、蕎麦」ですもんね。
同じ広さの土地からからの収穫量から見ると、米を10とすると、小麦は5、ソバは2ぐらい。効率としてはあまり良くありません。品種改良もされてきているようですが、大幅に収穫量を増やせる改良は難しいとのことです。
米に比べて、肥沃な土地でなくてもそれなりに育つとか、米ほど手がかからないとか、タネを蒔いてから収穫するまでの時間が短いとかの特徴を活かして栽培されてきたようです。米の苦手な土地が蕎麦の産地になってきたのでしょう。
生育期間は、60〜75日ほど。栃木では、4末〜5月上旬に播種をして、7月に収穫する夏ソバ。その後、8月に播種して10月下旬〜11月に収穫する秋ソバの二期作をするところもあります。また、麦の後にソバを育てる二毛作も行われているようです。
蕎麦は花が終わって実をつけつけ収穫時期になると、コンバインで借り入れから脱穀まで一気にやっってしまうところも多いようです。
ですが、天日干しによる自然乾燥の方が美味しいとのこと。刈取機で刈り取り、天日干しにしハーベスタで脱穀、さらに乾燥させて挽いて蕎麦粉にする。こうして作った蕎麦粉で打った蕎麦。美味しいはずです。
日本の蕎麦の消費量の80%は中国やアメリカからの輸入だそうです。国産20%の中のさらにたった5%が栃木のソバ。それのほとんどがコンバインで刈り取っているでしょうから、天日干しのソバを食するのはなかなか難しいかも。蕎麦畑の横で営んでいる小さなお蕎麦屋さんは、自分で刈り取っているのか?そういうことで美味しいのかもしれません。ここに期待です。
これから秋の新蕎麦の季節になります。楽しみです。
蕎麦は古くから健康食として認知されていました。血糖値の上昇を防ぐ、糖質や脂質の代謝を促す、肝機能を補完するコリンという成分を含む、ビタミンB1、,B2の高含有などなど。
蕎麦の栄養価の代表はルチンですよね。ルチンを含むのは穀物の中ではほぼ唯一らしいです。血液をサラサラにして血圧を下げる効果があるとのこと。そば湯を飲むっていうのもいいようです。血圧は年齢とともに気になるところです。蕎麦好きにとっては、蕎麦屋に堂々と向かえるいいポイントです。
食事をするのも億劫になってしまっている時に「蕎麦ぐらいだったら食べれるかも」と思わせる手軽さというか、重たくない感じが蕎麦にはあります。
療養のために田舎に住んでいるような私のようなものにとって、美味しい自然の食材があるところで、すごせるのは幸せなことだと思います。
季節の流れを感じ、旬なものを食べ、自然のリズムを体に取り入れる。人間らしい生活を送ることが治癒の近道のような気がします。
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