双極性障害の治療の上で生活のリズムを整えていこうと言われます。
実体験として思うに、双極性障害にとってこのことは非常に重要です。考え方も整理できて精神的な改善にもつながります。
双極性障害の人は心と体の時間感覚が異常
特別なお仕事に就かれている方は別にして、普通は朝の時間に起きて夜に寝るという毎日を送っています。正確な時計はなくても大まかなところは誰でもこのようなリズムになっています。
双極性障害の人は心と体が時を刻む時計とがアンバランスになっってしまっています。
主治医からは「生活のリズムを整えていきましょうね」と言われます。朝は決まった時間に起きて、毎日ほぼ同じ時間に食事をして、夜は決めた時間には寝てしまうようにしましょう。と。
うつの時期は眠れず、躁の時期は眠らなくても大丈夫あるいは眠る必要を感じない、という状態。
心は疲れ果てているのに眠れないうつの時期、気持ちは昂ってイライラして時間を忘れて何やかやとのめり込んでしまう躁の時期。
心の1日のリズムと体の1日のリズムがアンバランスでそれはなおかつ普通の24時間にも合っていない・・・
これを強制的にでも直していく必要があります。
なにはともあれ「睡眠の乱れ」を治す
生活の中で一番おかしくなっているのは睡眠時間です。まずはこれを整えるところから。
睡眠を促す体操、ストレッチ、枕、照明、香りなどなどいろいろありますが、双極性障害やうつ病の「睡眠障害」は睡眠剤でしか治せません。
時間になったら薬を使って強制的に眠ってしまう!あるいは中途覚醒しないように抑え込む!
これは仕事を続けながらは難しいです。どうしても仕事には期限がありますし、それについて頭がいっぱいになっていると睡眠剤を飲むことにも躊躇してしまうことになります。
うつ病は休職べきですし、双極性障害は安定して自分でコントロールできるようになるまで休職たいところです。
軽躁状態の時、
頭の中でいろいろなことが次々と出てきて手当たり次第に手を出して一向に終わらない、あれもこれもやらなければと年中焦っている、いろいろ手を出していたらあれこれ気になって調べたくなる、とにかくやらないと気が治りません。気がついたら眠ることを後回しにしていた・・・とのことになります。
そうなってくるとどんどん駆け上がってしまう。これを睡眠導入剤で無理矢理でも一旦制御かけないとハイな状態がエスカレートしておかしな状態になってしまいます。
治療が進んで今や薬を飲まないことが怖いです。ですからきちんと飲むようにしています。そのためにも規則通りの服薬が必要があります。
うつ状態の時
一方、うつ期には寝つきが悪くなり時には全く眠れなくなる。夜が白白とあけてきて「どうしよう、どうしよう」と焦るばかりで回答が出ず、また何も準備できずに朝が来てしまったことに落ち込んで、そのまま仕事に行って案の定うまくいかない。そして昼間に激しい眠気がやってきてそれを我慢するのに体力を使う・・・とかの悪循環に見舞われます。
無理矢理睡眠薬を飲んで眠ってしまうと体調だけはなんとか支えられます。心は荒んだままですが・・・
また、うつ期には眠り続けている時もあります。休職し始めたとき私はそうでした。だるくて起き上がれなくてぼーっとしているのか眠っているのかよくわからないような状態。
こういうのは眠るべき時間に眠れなかったことも一因です。夜眠るべき時間に睡眠導入剤で無理矢理寝てしまうことで少し調整できる場合があります。
とにかく、自分の体調に関わらず、眠い眠くないにかかわらず、夜11時〜0時ごろには睡眠導入剤を飲んでベットに入ってしまうようにしています。
躁でもうつでもとにかく眠る
私の場合は、眠らなくても平気な軽躁時期と眠たくても眠れないうつ期といずれも”眠れない”ので、無理矢理でも眠れてしまう睡眠導入剤は欠かせません。
ルネスタと言う薬を処方してもらっています。長い間試行錯誤してこの薬に落ち着きました。1mgを複数錠処方してもらっていて、眠れなさ加減で1錠〜3錠の間で調整しています。”眠れなさ加減”というのが難しいところですが、そこは経験上眠れる量を把握しているつもりです。
依存が気になりますが、精神的な安定を欠くことを考えたらやむ終えないと思っています。
眠れたら薬も決まった時間に飲めるようになる
そして同じような時間に眠れるようになると自然と生活のリズムが整ってきます。
双極性障害の治療の基本は薬物療法ですが、私の場合、飲んでいる薬は夕食後と睡眠前に飲むことになっています。
薬を規則正しく飲もうとすると、食事の時間、就寝時間などを毎日決まった時間にしたいです。
眠る時間が定まってくると自ずと生活リズムが安定してきて、ひいては服薬時間も定まってきます。
睡眠時間の狂いが躁転やうつ期に陥るアラームになる
逆に、いつもの睡眠導入剤の量で眠れなくなってきたとなると、躁転やうつ転のアラームになります。
何かに取り組んでいて薬を飲むのを忘れ、気が付いたら2時とか3時になっていたとかの日があった時など躁転しかかっていると考えるべきです。
うじゃうじゃとマイナス思考が渦巻いて眠れなくなる、いつもの1錠ではぬ向けがやってこない、という時などはうつ期に落ちようとしている・・・と気がつきます。
睡眠の狂いは危険をしらせるアラームになります。
仕事(就労)と生活リズム調整
就労しながらの生活リズム調整は難しいです。
私は鬱を何度か繰り返して仕事を辞めざるを得なくなりました。残業・海外も含めた出張も多く年に2〜3度業務量が膨らむ時期があり、また少なからず経営責任も持っていましたので続けていけそうにありませんでした。
双極性障害の場合は仕事を選ばざるを得ないのではないかと思います。生活リズムを乱したくない特に睡眠時間を乱したくないとすると次の点は配慮必要でしょう。
- できれば残業の少ない仕事
- 残業は多くてもほぼ決まった時間に終えれる。終えれる時間が読める。
- 長期出張・特に海外出張の多くない仕事
- 交代制や深夜業ではない
私は失業中ですのでリズムを整えるのは制約が多くないので助かっています。就職してしまうと自信がありません。きっと難しくなるでしょう。乱れるのが怖くて(情けない言い訳ですが・・・)就職活動が思うようにいきません。困っています。
主治医も今までのようなストレスに晒されまくるような仕事につかないようにしてほしいといってくれていますが、それもこの生活リズムを乱さないようにしてほしいとの話だと思います。
記録の習慣
自分をよく理解するためにも睡眠の変化を”見張って”おくことは重要だと思います。
一生繰り返す病気ですから次の波の時のためにも重要です。後々いつ上がったのかいつ落ちたのか見れることで自分の大きな波を知れます。
眠っている時間よりは、寝つきが良かったかどうか、中途覚醒はなかったか、昼間の激しい眠気はないかなどがポイントです。
これについては日記を付けるのがいいのですが、日記はなかなか手間です。私は高血圧でもあるので”血圧ノート”というアプリを使って血圧・体重などインプットしています。そこに睡眠の状態もメモるようにしています。
変化に気づいた時は
気づかない場合もある
①生活習慣の乱れ ➡︎ ②睡眠・体重の変化 ➡︎ ③躁転・うつ化 なのか
①躁転・うつ化 ➡︎ ②生活習慣の乱れ ➡︎ ③睡眠・体重の変化 なのか
わからないです。体の変化に気づく間も無く急激な躁転となる場合もあります。
また、睡眠薬は眠れなくなるのが怖くていつも飲んでしまいます。で、眠れなくなっている状態なのかわかりにくいです。
「来る!」と気づいた時
「来る!」との気配を感じたらまずは主治医に報告です。3〜4週間ごとに通院している方が多いと思います。次の通院日まで待つのは良くないです。気づいたらすぐに主治医に相談しましょう。
薬の増減や種類、飲むタイミングなど調整してくれるでしょう。結局は薬物療法しかないのですが、薬の増減で対処できるならそれに越したことはありません。
薬は速攻で効くとは限りませんし、そもそも動きはじめたものは止まらないかも知れません。
ですがこのヤバさを共有してくれる人(主治医)がいるだけでどれだけ心強いか・・・
うつ期の辛さはあらゆること何もかもを1人で抱え込んでしまう辛さがあります。それが主治医があるこで軽減できればそれでいいです。
そして精神的にも整ってくる
躁の時期もうつの時期も余計なことがわしゃわしゃと頭の中に渦巻きます。そのようにならないようにせめて周りからノイズのない生活環境にしたいです。
断捨離、ミニマニスト、清貧の暮らし・・など身の回りがスッキリ整理されたノイズの少ない生活が目指すところではありますが、そうそうたどり着けるものではありません。
ですが、仕事を辞めざるを得なくなったおかげでモノでも考えでも思い出もなんでも”捨て去る”ことができるような気がしています。
せめて休んでいることもメリットとして捉えることができるようになれば、なんでもマイナスに考えてしまうこの病気に対して頭の中も好転するのではないかと期待しています。
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