うちの近くによくいます。キジバト。
あまり姿は見かけないのですが、ゼゼッボッボー、ゼゼッボッボー、ゼゼッボッボー・・朝に鳴くのか、昼間に鳴くのか、時間帯は決まってないように思います。暗くなってしまうと鳴いてないようです。
鳥のさえずりは、そこらへんにある環境音なので、ちゅんちゅん、ヒーヨヒーヨと鳴いてるなあ、と一瞬気がつくが、意識はすぐに元のところへ戻るものです。
でもこのゼゼッボッボーは、どうもダメです。そっちへいった意識がなかなか戻ってくれません。ただ何とはなしに鳴き声を聞き続けています。
そもそもあの声、鳥の声なの?不気味すぎないですか?
鳥の声って「さえずり」て言いますよね?あれ、”さえずり”ですか?”呪文”唱えてますよね。
続けて鳴くので、「いつ終わるのだろうか」と思ったが最後、離れられません。
鳴き始まってしまってから気がつくので、どの声から始まったのか気になります。「”ゼゼ”から始まったの?それとも”ボッボー”から?」
「このフレーズはどれがワンセット?ゼゼッボッボーなの?ボッボーゼゼなの?」
いつ鳴いていたのか気になります。朝に聞いたのか?夕方だったのか?かんかん照りの時?雨の時は鳴いていたっけ?まさか夜は泣いていなかったよな?ん?この季節は鳴いていたっけ?など、あげくは鳴いていない時まで気になってくる始末です。
で、このように気を取られているうちに、あのぼんやりした鳴き声が耳の奥に染み付いてきて、気がついたら頭の中が呆けて(ほうけて)います。
頭の中がぼーっとして、霞がかかったようになり、脳みそがブヨブヨ化していくような・・
キジバトは、山鳩とか呼ばれているところもあるようですが、色合いがキジの雌に似ているから、キジバトと呼ばれるそうです。
いわゆるお寺や神社や公園でよく見かけるハトポッポーとは違う種類です。ハトポッポーたちは、”カワラバト”と言います。元々通信手段、伝書鳩として家禽となっていたものが野生化したもの。よく神社やお寺の”堂”にいるので、ドウバト=ドバトとも言われている。
ゼゼボッボーと鳴いているのはオスらしいです。「低地〜山地で留鳥だが、北海道は夏鳥。市街地の庭や公園にもいる。繁殖期の雄は翼を激しく羽ばたいて上昇し、両翼を水平に保って滑翔して下りるディスプレイフライトを行うことが多い。冬季にも繁殖し、つがいや3羽ほどの家族群で見ることが多い。地上を歩いて植物質の餌を取るが、樹上で木の実を食べることもある。」とのこと。
年中いるんですね。困った・・呆けてしまって、ダメな人間になってしまいそうです。
小野不由美著『十二国記』シリーズ、「白銀の壚、玄の月」戴国を無茶苦茶にした阿選が操っていた次蟾(じせん)という名の妖魔が出てきます。鳩のような鳴き声で、人の魂魄を抜くという。阿選は次蟾を操って人を傀儡化していた・・
次蟾に取り憑かれた人の様子は、うつ病に似ています。
「身体が重たいよう、気鬱なよう、言葉数は減り、何かを憂いたように塞ぎ込んでいた・・」
”白銀の壚、玄の月”三巻
キジバトは次蟾(じせん)でしょうか・・ キジバトのせいで、うつ期になるのでしょうか・・・
次蟾の”蟾”とという字はヒキガエルのこと。ヒキガエルの声に似てませんか?ボッボーのところ・・
間もなく魂魄を抜かれ、傀儡(くぐつ)になるかもしれません。
「鳩が・・」「・・恐ろしい・・・」
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