何かと嫌われるカラスですが、よく見るとその姿や仕草はなかなか素敵て可愛いところがあります。
カラスのイメージ
カラスは多く種類の鳥の中でも身近な鳥のひとつです。ですが、あまりいいイメージは持たれていません。不吉とか、縁起が悪いとか、卑しいとか、狡猾とか・・
都会では早朝の繁華街や住宅街のゴミ置き場を漁っている姿がいやしく見えるし、ギャーギャーという鳴き声も不快に響く、真っ黒い姿が群れていると不気味な気がします。
サッカー日本代表のマーク、八咫烏ぐらいでしょうか。良いイメージで捉えているものは。
ハシブトガラスとハシボソガラス
日本には何種類かカラスはいますが、よく見かけるのはハシブトガラスとハシボソガラス。
都会部でよくゴミを漁っているのはハシブトガラス、鳴き声(鳥ですからあれでも”囀り”というのでしょうか?)はカーカーと遠くまで聞こえる声に鳴き、気が荒くてふてぶてしい。
ここ田舎で見かけるのはハシボソガラスが多いようです。あまり鳴いているのを聞かないのですがギャーギャーとしゃがれたような声です。夕方に集合してから一斉にネグラに帰る、童謡「七つの子」に出てくるカラスのイメージです。ハシブトガラスに比べてほっそりとしたくちばしで、くちばしの形を見たらすぐに区別できます。
私は都会のカラスしか見ずに育ちましたが、田舎に住むようになりハシボソガラスを多く見るようになり少しカラスのイメージが変わりました。。「こいつ、なかなかだな」なと思うようになりました。
カラスもなかなかやります
遊んでる
カラスも見ているとお茶目なところもなかなか素敵なところもあります。
風が強い日など、飛びながら遊んでいるのではないかと思う時があります。風に乗って翻ったり、羽を閉じて少し落っこちたり繰り返しているのを見かけることがあります。電線に逆さにぶら下がっているなんてこともあるようです。鳥は基本的に遊ぶことはないと思っていましたが、カラスは頭がいいのか、お腹がいっぱいで余裕があるのか、遊ぶということを知っているようです。
車を上手かわす
カラスは、田んぼや道路に降りて何かを突いていることがあります。道の真ん中にカラスがいる時、轢きそうになることがあるのですが、彼らは絶妙なタイミングで逃げていきます。それもヤバい!との感じで逃げていくのではなく、ヒョイと避けるように車をかわします。
それがこちらナメているような、スマートさを見せつけているような、武道の達人のような体です。こちらも慣れてきて、クラクションを鳴らさずに突っ込んでいっても彼らの方から逃げていくので大丈夫です。
野良犬や猫、イタチやタヌキがよく轢かれているのを見かけるんですが、カラスが轢かれているのは見たことがありません。車の動くスピードを理解していて、それに合わせて動いているとしか思えません。賢いです。
なかなか強気
たまに数羽のカラスでトビを追い払っているところを見ることがあります。トビもよく見かける鳥ですが、羽を広げたら1mはあるほどの大型の猛禽類です。力関係からするとトビの方が遥かに上と思うのですが、果敢に立ち向かっていきます。トビも小回りが効きにくいのか、集団で来るのが困るのか、トビが勝っているのを見たことがありません。なかなかやります。
かしこく巣作り
繁殖期には巣を作ります。もちろん枯れ枝や小枝などで作るようなのですが、農業用のロープとか針金、針金のハンガーなど使えそうなものは手当たり次第に使うそうです。それが巣作りに使えるかどうかわかるというだけでも頭がいいとわかります。
よく見ると美しい姿をしています
飛翔の姿
飛んでいる姿は、カモ類のように忙しなくバタバタと羽ばたくではなく、サギのように音もなく優雅に羽ばたくとまではいかないですが、いい具合に効率的な羽ばたきで飛んでいます。たまに上空を滑空しているカラスを見ますが、一瞬トビなどの猛禽類に見間違えるほどかっこいいです。
魅力的な黒色
烏の濡れ羽色。カラスをよくみると本当にその黒は奥深いです。漆の黒色を漆黒というのでしたらそれに近いのかも。何もかも吸い込んでしまうような黒ではなく、光の当たり方で緑、藍色、紫がかった黒であったり、同じ黒でもヌメりのような粘着性のある黒であったり、乾いた枯れた黒であったり、黒の表情が変わります。
ただのドス黒い感じではなく、品があります。あの黒色を絵の具や塗料で出そうとしたら結構難しでしょう。
群れも絵になる
秋から冬にかけて、夕方、工場の屋上とか電線とかに大集合しているのを見かけます。一旦集合してから森の中のねぐらにかいっていくようです。大量の黒の鳥の群れではありますが不思議と不気味な感じはありません。夕焼けをバックにしたシルエットでなかなかの景色です。
カラスを見て思うところ
逞しくもあり、よく見れば美しくもあり、お茶目で、賢い。
第一印象で決めてしまう、先入観で決めてしまう、ということはよくあります。このカラスのように魅力的な鳥なのに良いイメージを持たないなどは人生の楽しみの多くを捨てているようなものです。
自然の中の動物には見事な色彩、見事な造形をも持った動物がたくさんいます。何かと気を遣ってみたいものです。
私の場合、精神的に追い込まれている時、気が動転して歯止めがかからなくなっている時、自分を見失っていることがよくあります。”周り”を感じる余裕が全くありません。
ですが、自分の周りには自分と関係なくたおやかに流れていく世界があります。そんなものに気づけることができれば、自分を追い込んでいることに対して少し寛容になれるのではないでしょうか。
ふと気をそらせる余裕ができたら身近なものをぼーっと眺めてみる。そんな時間が作れるといいです。
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